山岸 研1月5日2 分#003 ゴーリキイ『どん底』(岩波文庫:中村白葉 訳より) 「『人間はよりよき者のために生きているのさ! まあ早い話がさ、ここに指物師がいるとして、それがみんな ーー ちりあくたのような人間だ …… ところが、その中から一人の指物師が生まれる ……...
山岸 研1月5日2 分#002 チェーホフ『ワーニャ伯父さん』(新潮文庫:神西清 訳より) 「でも、仕方がないわ、生きていかなければ! ね、ワーニャ伯父さん、生きていきましょうよ。長い、はてしないその日その日を、いつ明けるとも知れない夜また夜を、じっと生き通していきましょうね。運命が私たちにくだす試みを、辛抱づよく、じっとこらえて行き...
山岸 研2022年11月24日2 分#001 森鷗外『妄想』(新潮文庫より) 「死を恐れもせず、死にあこがれもせずに、自分は人生の下り坂を下って行く」 鷗外は主人公の翁に仮託して、『老い』を、死が待つ人生の下り坂を下ること… と語らせる。決して肯定も否定もしない。ただ、老いとともに切実となる『死への...